Column

コラム

2026/01/26

第5回【現在】 30年目の今、私が中古バイク屋として大切にしていること


21歳でバイクに出会い、がむしゃらに駆け抜けた独立、そして立ち止まった10年間。 振り返れば、あっという間の30年でした。

若い頃のような、寝る間を惜しんでレースマシンを組み上げるような体力や、無茶な勢いはもうありません。でも、その代わりに手に入れたものがあります。それは、バイクの「声」を聞き分ける、かつてないほど冴えた「目」です。

今の私は、無理な仕入れはしません。 どれほど人気の車種でも、どれほど利益が出そうでも、私の目から見て「これはお客様に後悔させる」と感じたバイクは、絶対に仕入れません。

「とりあえず売る」店ではなく、「長く付き合える一台だけを置く」店。 時には、中古バイクに不安を抱えて来店されたお客様に、「今のあなたには、このバイクはまだ早い(あるいは合わない)」と、売らない判断をすることもあります。

それは、私自身が数えきれないほどの失敗をし、レースで命の危険を感じ、商売の苦しさを知ってきたからこそたどり着いた、30年目の誠実さです。

「ばいく倉庫」という看板は、私の人生そのものです。 これからも、この場所で、私が本当に納得したバイクだけを、必要としている誰かへ。 30年経った今が、一番いい仕事をできている。 そんな自信を持って、今日も私はシャッターを開けます。 』

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